ない借金返済|第4 当裁判所の判断 1 本件各支出の適法性について判断する前提として,原告の請求権につい

借金返済の返還ををであり,その請求の直接の根拠は本件条例7条2項でである が,実質は本件各支出が違法でであることを前提とする,不当利得返還請求権でで ある。
本件
支出
適合性


適合性に関する個別的検討 ア番号1の支出について (ア) 証拠(丙A1,4,9,10,証人A〔後記認定に反する部分を 除く。
〕)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a 函館市では平成3年7月18日に運輸大臣より函館港港湾計画 の承認を受け,同計画の中で,大型客船埠頭の整備について触れ られていたが,その後,いわゆるバブル経済が崩壊したこともあ り,上記埠頭整備は実現しなかった。
b 函館市においては,平成15年3月,国の政策に基づいて函館 国際水産・海洋都市構想が策定されていたところ,同構想におけ る主要施策の一つとして,大型客船埠頭の整備等をその内容とす る本件プロジェクトが検討されていたが,平成16年度当時,国 は同プロジェクトに対して予算を付けなかった。
c 函館市においては,平成17年4月,弁天地区において桟橋方 式を採用して岸壁を30メートル前に出す改良工事を実施すると の港湾計画が決定され,国の平成18年度予算にその費用が盛り - 47 - 込まれた。
なお,参加人Aは,平成17年12月,上記港湾計画に関し, 函館市議会議長,同市助役及び担当部長らとK衆議院議員に陳情 を行っている。
d K衆議院議員は,福島県の選挙区で選出されている。
(イ) 前記第2の2(5)ア及び上記(ア)で認定した事実に照らして,ま ず,前記第2の2(5)アの参加人Aの活動に調査研究の実質があるか 否かを検討する。


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参加人Aは,上記活動の目的は,プロジェクト事業の推進,その予 算付けの在り方等に豊富な知見を有するK衆議院議員に面談して,本 件プロジェクトの推進,その予算付けについての国の考え方を調査す ることであると主張している。
しかし,K衆議院議員は福島県出身の衆議院議員であり,そもそも 函館市における本件プロジェクトの具体的内容を知っていたとは考え にくく,それについて知っていたとか,その予算付けに関する国の立 場を把握していたと認めるに足りる証拠もない。
また,参加人Aの作 成した報告書(丙A1)添付の資料をみても,参加人AとK衆議院議 員との面談は,参加人AがK衆議院議員に対して本件プロジェクトを 説明することが中心であったと考えられ,参加人Aが,K衆議院議員 から本件プロジェクトに対する国の考え方についての情報ないし知見 を得たことはうかがわれず,かえって,上記面談の態様や,上記資料 には「当該港湾施設の整備に関する平成17年度予算確保について, ご支援賜りますようお願い申し上げます」との記載があることに加え, 参加人Aが,平成17年12月にも函館市議会議長らと本件プロジェ クトに関しK衆議院議員に陳情を行っていることに照らすと,上記面 談は,有力国会議員であるK衆議院議員に対する陳情目的で行われた - 48 - ものにすぎないことが推認されるというべきである。
この点,参加人Aは,K衆議院議員から本件プロジェクトの予算付 けについて示唆を得た旨述べているが,どのような示唆を得たのかに ついて具体的な説明はされていないし,報告書にも具体的な内容の記 載はなく,参加人Aが単なる陳情を超えて,調査研究の実質があると 認めるに足りる活動をしたことの証拠はないといわざるを得ない。
そ して,政務調査費が制度化された趣旨が議会の審議能力の向上を図る ために,議員の調査研究活動の基盤の充実を図る点にあることにかん がみると,予算付けに係る単なる陳情は,たとえ市政との関連性を有 していたとしても,客観的にみて調査研究の実質を有するものとは認 め難い。
また,その他に参加人Aが前記第2の2(5)アの出張において調査 研究の実質があると認めるに足りる活動をしたことの証拠はない。
(ウ) したがって,番号1の支出は,市政に関する調査研究に資するため 必要な経費に充てられたものということはできず,違法との評価を免 れない。
イ番号2の支出について (ア) 証拠(甲36の1,丙Bア1,11,21,証人F)及び弁論の全 趣旨によれば,次の事実が認められる。


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上記
上記各規定が政務調査費の支出対象となる調査研究につき「市 政に関する」ものであることを要求していることや,政務調査費が調査 研究に「資するために必要な」経費に支出されることを要求しているこ とに照らすと,支出の対象となった活動が市政と関連性を有し,必要か つ合理的なものであることを要するというべきである。 すなわち,法は,政務調査費の支出について,交付を受けた会派等に 議長への収支状況報告書の提出を義務づける(100条14項)ほかは, 支出の対象となる調査研究活動やその支出額等について何ら限定を加え ておらず,また,本件条例は,政務調査費を使途基準に従って支出し, 必要経費以外に充ててはならないと定め(5条),これを受けた本件規 則は政務調査費の使途基準を定めているが(6条),そこでも対象とな る調査研究活動やその支出額等について何ら限定を加えておらず,さら に,本件要綱は,政務調査費の対象外となる経費を列挙しているが(4 条),そこで掲げられている行為はいずれも調査研究の実質を有しない 行為の典型例であって,調査研究活動の対象や支出額について限定を加 えるものではないこと,上記アのとおり,地方議会の権能は広範にわた り,これを適正に行使するための各議員の調査研究活動も多岐にわたる ものであるから,上記法の規定が制度化された趣旨を考慮すると,その 調査対象の選定や調査方法及び内容については,議員としての調査研究 の範囲を逸脱しない限り,法は比較的広範に自由な裁量を認めていると 解されること,以上の点に照らすと,支出の対象となった活動に調査研 究の実質があると認められる限りは,政務調査費をどのように使用する かについては会派の自主性及び自律性を尊重し,当該会派の裁量を広く 認め,ただ,それが市政との関連性,必要性・合理性を欠くことが明ら - 46 - かな場合にのみ違法と解すべきである。 ウこの点,原告は,政務調査費の支出が適法であるためには,十分な事 前の調査を行い,調査後にその調査結果を活用しなくてはならないと主 張するが,事前の調査や事後の活用は調査研究の実質を有する活動がさ れたか否かを判断するための要素にはなるが,それを欠いたからといっ て直ちに当該調査研究が違法となるというものではなく,当該調査研究 の態様等から当該調査研究が調査研究の実質を有し,市政との関連性, 必要性・合理性があると認められることもあり得るから,事前の調査や 事後の活用が政務調査費の支出が適法であるための要件であると解する のは相当ではない。